BPL/PLC の問題点
日本国内でも実用化に向けて風雲急をつげる BPL/PLC (所謂「電力線インターネット」)だが、問題点や疑問点が払拭されたとは言い難い状況だ。最も大きな問題点のひとつは、短波帯を使う既存の無線通信への影響であり、その見地から Nagoya DXers Circle (NDXC) の Weblog NDXC BLOG では反 BPL のキャンペーンを行うそうだ。
BPL/PLC の問題点に関しては JH3YKV's Amateur Radio News にも有益な情報源へのリンクが 紹介されている が、私はセキュリティの見地から BPL/PLC の懸念材料を列挙してみたいと思う。
第1に、BPL/PLC では電灯線を流れるデータが漏洩電波の形で傍受される可能性が考えられること。まずこれが心配だ(無線LAN 普及の初期に何が起きたかを思い出して欲しい)。しかも、受信機はラジオ+αで済むわけなので、その気になれば容易にデータを拾い上げることが可能だ。
第2に、漏洩電波がなくても思わぬ形でデータが漏洩する可能性があること。私は電気工事に関して素人だが、ここのページ をみると、電柱の上に載っている柱上トランスから各家庭へは、概ね10~20戸/トランスの割合で100Vの電灯線が分岐しているそうだ。だとすると、少なくとも同じ柱上トランスから分岐している電灯線に接続されたデバイス(他人の所有物を含む)は全て同じ「電灯線ネットワーク」上に接続されていることになる。これでは決してセキュリティ的に安全とは言えない。例えば不用意に WinDoze マシンで共有設定をしていたらフォルダやファイルが丸見えになるかもしれない。
第3に、電灯線→無線設備への影響ではなく、逆に無線設備→電灯線への影響も当然考えられること。違法・合法を問わず、短波帯の電波を発射する無線局が意図せずにデータ通信に影響を与えることもあるだろうし、逆にデータ通信を妨害しようとして意図的に高出力の電波を出す輩も出てくるかもしれない。
このように、BPL/PLC はネットワーク・セキュリティ的に極めて脆弱なデータ通信路ではないかと思われるので、性急な実用化は将来に禍根を残すような気がしてならない。
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